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投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

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No.197 (2008/05/14 23:32) title:出会い☆過去編 その2
Name:砂夜 (p1205-ipbf404funabasi.chiba.ocn.ne.jp)

  桂花がモデルに決定したと聞いた時柢王はすごく焦っていた。
  某デパート一番の美人で知られている桂花は会社内外にファンが多い。
  桂花自身はどんな男性が言い寄ってきても無視を決め込み
  あまりにもしつこく無礼な男には自分の身を守る為に覚えた護身術で
  片っ端から撃退している。
  武術にも長けて知性もあるから並の男では太刀打ちできないのだ。
  しかしモデルの話が出た時から会社側が桂花にSPを付けていたせいで
  最近はデートはおろか顔を合わせることすらままならない。
  前回のデートでプロポーズはしたもののまだ返事をもらっていないのだ。
  そこにきてモデル?桂花の花嫁衣裳は俺が用意するに決まってるだろうがっ!
  でも何故、桂花なのだろうか。たしかに賢くてあれだけの美貌だから
  選ばれる事事態はおかしくは無い。だが桂花は何度も断っていると言っていた。。
  今の状況になっているのは会社というより社長命令があった為らしい。

  おかしい。いくらなんでもたかが一社員にここまで強要するものか?
  そして昨夜とうとう今の状況になった原因がわかったのだ。。
    
    柢王 ーーなんだってこんな事になっているんだ?
    ティアーー君が荒れるなんて珍しいね。どうしたの?
  
  行きつけの飲み屋。たまたまカウンターで2人並んで飲んで何かの弾みに意気投合、  
  その時のあまりの楽しさに味をしめ時々一緒に飲む約束をしている。
  今日はその約束の日だった。。
    柢王ーーいや。。俺の桂花のことなんだが。
        どうも会社で妙な事になっているようなんだ。。
        今度の新規出店のレデイース部門の総責任者になって
        張り切っていたんだがメインイベントのモデル候補にあがって
        辞退する権利がまったくないらしい。
        本来ならそんな重要なイベントならプロを雇うなり
        有名芸能人を呼ぶなりするだろう?いくら人気があるといっても
        素人にってのがおかしい。。
    ティアーーそれもそうだね。。辞退も出来ない?
    柢王ーーそれなら最悪退職でもと掛け合ったんだが出来なかったらしい。
        今じゃ何かあったら困るとSPが四六時中張り付いている。
        SPが付くんだぞ?ただの一社員にだ!
        おかげでデートどころか話はおろか顔も見れやしねぇよ。。
    ティアーー強引な。。あれ?君の恋人、どこのデパート?
    柢王ーーー某デパート。
    ティアーー。。。もしかしてこれと関係しているかもしれないーーー。

  花嫁役控室でアシュレイが憤慨している頃
  桂花の控え室の真向かい 新郎役控室。
 
  ティア(遅い。柢王!)
  ほぼ用意が終わりもう出番が来るだけになっているのに肝心の柢王の姿がない。。
  このままでは自分が新郎役として出るしかなくなってしまう。
  柢王が間に合わなければ自分は雲隠れすればいいのだがそれでは
  桂花が大恥をかく事になりかねない。何も彼女をそんな目にあわせたい訳ではない。

  ダダンッ!控え室の扉を騒がしく開け駆け寄ってくる。
  柢王『悪い!あいつらを撒くのに時間がかかった!』
  ティア『あいつら?何?』
  柢王 『ここ最近ずっと俺についてまわる奴がいやがる。』
    (何もしてこないから放っておいたけどさすがに昨夜の動きは変だった。)
  今日は朝から姿を消しにかかっていたのだがそれでもずっとつけられていたらしい。

ティア『それで遅れたの?もしかしたら心当りあるかも。
      それよりこれに着替えて!』
  
  柢王は慌てて衣装に着替える。直後廊下の様子が騒がしくなってきた。

  −−誰かここにこなかったか?
  ーーいや、来ていないっ!
  −−まだ近くにいるかも知れないぞ。
  −−探せ!−−
  
  柢王 『多分それで当りだ。で、お前はどうするんだ?』
  テイア『私?一応このあと花嫁に挨拶するよ?
      まったく挨拶しないのも不自然だし説明くらいしておかないと。。
      会場で君と入れ替わったら私はそのまま消えるから、
      すべて終わったら君達もうまく逃げるんだよ?』
  柢王 『ああ。そもそもこの事態の発端は何なんだ?って兄さんだよな?』
  ティア『うん。巻き込んで済まない。実家が関係していると思う』

  テイアの実家は大阪の資産家なのだが代々事業を手広く行っている。
  東京の某証券会社で働く事で実家から離れたいティアに
  年齢的にもそろそろ落ち着かせ家業の一部を継がせようとしているのだ。
  
  ティア(仕事もそうだけど。結婚相手くらい自分で見つけたい。)
  甘い考えだろうけど男なら自分の稼ぎでお嫁さんを幸せにしたいのだ。
     (何も不自由なく育ててくれた事には感謝する。。
      だからといってなにもかも言いなりになってたまるか!)
  前回の電話で母が倒れたと聞いた時、心配して帰郷したティアの目の前にいたのは
  日本中から集められた資産家のご令嬢たち。。つまりお見合い相手だったのだ。。
  −−ネフィ『このなかかから気に入ったお嬢さんとデートしておいで♪』
  ーーティア『そうしたらそのまま結婚まっしぐらですか!?冗談じゃないっ!
        私は自分の結婚相手くらい自分で見つけます!
        家は兄さん、貴方が継げばいいっ!』
  そう言い、実家を飛び出した。
  このあとちょっとした事件が起こるのだが。。。

  ティア(本当に手の込んだ事をする。。
      某デパートの新規出店のイベントにかこつけて大掛かりのお見合い?。
      いや婚約発表になりかねない。。一体どこから手を回したのだろう。
      いくら大阪で手広く事業を展開しているとはいえ、
      都内に大型百貨店を出せる相手とつながっていると思う訳が無く。。
      関東に進出して事業を始めようとしているのだろうか。。
  
  お見合いにことごとく失敗してきた実家はどにかうまくまとめたい、
  ついでに新しく興す予定の事業提携に某デパートと手を組んだ時
  一石二鳥とばかりデパートの看板娘、桂花に白羽の矢が向けられたのである。。
  
  ティア『ほんとにすまないね。着替えは終わった?さて、行くよ?』
  柢王 『え?2人とも?まずくないか?』
  ティア『うーん。。多分花嫁役は1人じゃないからね。。』
  柢王 『はぁ?』
  ティア『だから実家の策略。というより兄が・・というべき?
      花嫁は4〜5人はいるかも知れない。へたをすればもう少し多く。。
      それなら新郎役が1人増えても分からないでしょう?』

  柢王『なんんつーー』絶句。。
     (そこまでするとはどんな兄なんだか。できるだけ関わりたくねぇぞ。)
  
     −−ネフィ−−まだ見つからない!?
          ーーもう時間がないよ!だったら近づけないでくれればいい!?           
          ーーじゃ。あとは宜しくね。ティアが逃げ出さないようにして。
  
  外の騒ぎの声に兄の声を聞き取ったティア。
      
  ティア (やはり兄さんが!。。それでは逃げ出すのが難しいかもしれない。。)
      『今更だけど、もうひとり協力者が欲しいかな。。』
  思わしくない顔をするティアに
  柢王  『それなら、アシュレイに頼むか?たしか桂花と一緒にいるはずだし』
  ティア 『誰?信用できるの?今から呼べる?
       というより彼女に迷惑じゃないのかな?』
  柢王  『俺の従姉妹なんだ。桂花にSPがついてからの連絡は
       あいつが間を受け持ってくれたからな。。』
  テイア 『じゃあ、話は早いね。かく乱に協力してもらおうか。』
  柢王  『色々迷惑をかける。いつか俺の手が必要になったら必ず呼んでくれ。
       このかりは必ず返すからさ。そういやお前のタイプってどんなだ?』

  ピタリと歩みを止める。

  ティア 『うーん。別に多くは望んではいないよ?
       健康的で笑顔が可愛くて。。ずっと一緒にいたいと思える子、かな?』
      (さらに言うならこれからの人生笑って幸せに生きていければそれでいい。
       少し前にあった子。。あの子が元気で可愛かったな。。。
       名前も分からないけど、できたらもう一度会いたいかも。。)
 
  ティア 『。。。いちごちゃん。。』さらにぼそっと一言。。
  柢王  『いちごちゃん?それが名前か?』 
  テイア 『それは違うっ!名前が分からなくて。。そう呼んでいるだけだからっ』
  柢王  『そうか?じゃ、あとで探してやっから特徴教えろよ?』
  ティア 『そうだね。。そういう手もあるね。あとで宜しく。。
       さて予定変更、君は裏から会場にまわって?
       場合によっては桂花とそのまま逃げてくれてもいいよ。
       大丈夫だね?必ず来るんだよ!』  
  柢王  『ああ。俺は一度窓から出るか。会場でまた会おう!』
  ティア (この部屋までたどりついたんだ。。彼ならうまくやれるはず。。
       どうか無事に会場までたどりついて!)


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