投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3
告示前の天主塔・執務室。
ティア「新人って…」
『一応 ねふろにかノ記憶ハ 天界人カラ 抹消済ミトノ事ダッタノデ』
ティア「…それで、アウスレーゼ様は?」
『あしゅれい ト 囲碁。』
ティア「あなたは一緒しないんですか」
『ヒトリデ仕事 カワイソナノデ タマニハ てぃあらんでぃあ トモ 交流』
ティア「…それはどうも」
と、そこへ、江青が控えめなノックとともにやってきた。
ティア「…先代の選挙事務所が暉蚩城に?」
江青「申し訳ございませんっ、守天様!」
ティア「…………」
言葉を失うティアに、江青もなんと言っていいかわからない。
『恋 ハ 盲目。気ニスルナ』
ひぇっ…!! と声ならぬ声(?)をあげて、江青が執務室の端っこまで飛びすさった。
江青「しゅしゅしゅしゅ…」
『シュラシュシュシュ?』
ティア「江青、落ち着いて」
デンゴン君を目で制しながら、江青を見る。
江青「しゅっ…守天様っ…! そ、それはいったい…!?」
ティア「江青、『デンゴン君』だよ。ニュースで見てない?」
江青「は…? デンゴン君……? どぇぇぇぇぇぇぇ…!?
こっこのギンギラギンの珍妙なからくり人形がですか!?」
『失礼ナ奴ダナ、オイ。イッペン泣カセタロカ』
ティア「…もしかしてアシュレイの影響ですか、その言葉遣いは。
微妙にアレンジされてるみたいですが」
『我ノ美点ノヒトツ 応用力 ヲ 軽ク披露。』
ティア「…それはどうも」
脱力しつつも、ようやくデンゴン君に慣れてきたティアだった。
江青「守天様。それがその、最上界の神様なのですか?」
『我ハ 神ナリ』
アウ 「こら。…すまぬの守天殿。そちらの方も」
江青「い、い、いま、あなたはどこから…!?」
どこからともなく突然現れたアウスレーゼに、江青のデリケートな神経はまたもやぶち切れそうだ。
ティア「えーと、こちらは、今度の守天選の選挙管理委員会の方で、
アウスレーゼ様。ほら、額にデンゴン君と似た選管マークが
入ってる。とても人を驚かせるのがお好きな方で、いまも江青を
ビックリさせようとして、そーっと入ってきてたんだよ、
気がつかなかった?」
江青「え…。そうだったんですか。ちっとも気づきませんでした」
アウ 「場を和ませようと思うてな」
江青「それは…申し訳ございません。私はなんというか…空気を読むのが
苦手で。よく珀黄にも、あ、珀黄というのは私とともにこちらで
お勤めさせて頂いている従兄なのですが…あ、いや、こんな話、
どうでもいいですね、なにを言ってるんだろう私は…(赤面)」
アウ 「焦らずともよい。…今は少し時間がないが、またゆっくりと」
江青「は、はい。では守天様、失礼致します」
ティア「どうして、姿を消したり暗示をかけたり記憶を
操作したりなさらなかったのですか」
アウ 「いやなかなか可愛らしげだったのでな」
ティア「江青には妻も子もおります」
アウ 「家庭に波風を立てる気はない。我もたまにはプラトニックしたいのだ」
ティア(プラトニック……?)
デンゴン君のノリに慣れてきたかとほんのちょっと安心しかけたのも束の間、アウスレーゼのプラトニック発言に、一瞬気が遠くなりかけたティアだった。
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