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投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

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No.103 (2007/05/09 22:20) title:統一地方選挙(1)
Name:モリヤマ (i220-221-231-207.s02.a018.ap.plala.or.jp)

 
 
『突然デスガ。
 天空界ハ、民主主義ニ ナリマシタ。』
 
ティア「…なんですか、それは」
 
 アウスレーゼの手のひらに立つ、身長(?)50センチほどの銀色の人形。
 それが、カクカク口元を動かして、そう宣言した。
 
アウ 「ああ、紹介が遅れたな。こちらは『デンゴン君』。
    三界主天様人形だ。額に御印が刻まれていよう?
    守天殿、および天空界に、三界主天様よりの直々のメッセージを
    携えてきた」
 
ティア「三界主天様からのメッセージ…?」
 
 
 ここは天界、天主塔・執務室。
 
 アウスレーゼのまじめな答と、『エッヘン』と反り返るデンゴン君に、
一瞬めまいを感じつつ、ティアはもうひとつの問いを口にした。
 
ティア「…それで、民主主義、とは?」
 
『天界人ノ自由ヤ平等ヲ尊重シ 選挙デモッテ ソノ代表ヲ選出シ 
 天界ヲ治メル コトデス』
 
ティア「…ご説明ありがとうございます。」
 
 デンゴン君への対応に、戸惑いながらもティアは礼を述べた。
 
アウ 「つまり、世襲制の四天王のレベル低下、および守天殿の器の
    リサイクルがそろそろ減価償却(?)の頃合だとかで、この機会に
    一度、選挙で天空界を治めてみるのも………」
ティア「・・・みるのも?」
アウ 「一興かと」
ティア「天界はオモチャではありません!!」
アウ 「や、待て!守天殿。我が言ったのではない。三界主天様が、
    そう言ったのだ」
ティア「ということは、決定事項なのですね」
 
 …ンのオヤジぃぃぃ!と、アシュレイなら龍鳥の羽ペンを30本ほど
いっぺんにへし折ってしまいそうな発案だ。
 
アウ 「…許せ。あの方も超長生きで退屈しておられるのだ」
ティア「………」
アウ 「そ、それに、遊び心というのは必要だぞ、うん」
ティア「遊ばれる身にもなってほしいですね一度」
 
 だからやめといたほうがいいって言ったのにーーーー。
 冷や汗タラタラのアウスレーゼに、ティアはひとつ息をつく。
 
ティア「仕方ありませんね」
アウ 「守天殿!」
ティア「ではまずは四天王から、ということで」
 
 そんなわけで、統一地方選挙は始まった。
 現・四天王たちはそれぞれに憤慨したり動揺したりしていたようだが、
なにしろ最上界からのお達しということで、すみやかに沙汰に従い、早々に
選挙事務所を開き、活動を開始した。
 
 
 そして、またしてもところは天主塔・執務室。
 
桂花 「結局、今までの四天王の方々は皆様立候補されたようですね」
ティア「ああ。でもねぇ、対立候補が出ないんだよねー」
桂花 「それは…」
 
 そうでしょう、という言葉を桂花は飲み込む。
 
桂花 「ひとつ気にかかることがあるのですが」
ティア「なんだい」
桂花 「四天王の方々や、王家の方々の『力』は、どうなるんですか?
    もし、対立候補の方が出て、その方が当選でもされれば、
    王族に受け継がれてきた『力』というものはいったい…」
ティア「それ、ね…」
 
 ティアは苦虫をつぶしたような顔で、デンゴン君の言葉をそのまま伝える。
 
『王族ノ大キスギル「力」ハ、当選者ノ新王ニすらいどノ予定。ソレニ伴イ、元・王族ノ「力」ハ 消滅』
 
桂花 「消滅…ですか?」
ティア「そうらしいよ」
桂花 「スライドとか、消滅、って…。そんなに簡単にできるものなんですか」
ティア「簡単らしいよ」
 
 ムカつくことにね、とティアは心の中でこぼす。
 
 実際、四天王にはその旨伝えたし、そのことが四天王たちの出馬への意欲にもなったようだ。
 
ティア「でも…」
桂花 「はい?」
 
ティア「デンゴン君のメッセージを各城の満円鏡に送信したんだけど。
    …それも出馬に関係あるのかも」
桂花 「なんでも、暉蚩城では重鎮のお歴々が号泣されたそうですね」
ティア「は、ははははは」
 
(山凍殿、申し訳ありません…!)
 
 笑って誤魔化しつつも、遠見鏡で暉蚩城のジイサンたちに泣いて責められる山凍に、
ティアは心で頭を下げていた。
 
『四天王家ニ ツイテ。
 ヒトツ。イマダ伴侶ヲ得ズ 王家ノ 存続ガ危ブマレル。
 ヒトツ。嫡子ガ イワユル虚弱デ 後々 王トシテノ責務ニ全ウデキルカ 危ブマレル。
 ヒトツ。寝所ニ年若イ女性ヲ多ク侍ラセ 色事ニ没頭シ 王トシテノ品格ガ 危ブマレル。
 ヒトツ。腹ニいちもつアリソウデ ナンダカ胡散臭イ。』
 
もちろん、メッセージ配信後、各城近辺では軽い天変地異があったとか。
 
 
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そのデンゴン君。
連日、アウスレーゼとアシュレイの囲碁を楽しく観戦中。
 
アー 「…ぅわっ! 待て、待て待てって! あーあ…」
アウ 「まだまだだな」
 
負けてこぼすアシュレイと反対に、デンゴン君と同じく、アウスレーゼは楽しげだ。
 
アー 「そいえば、おまえらいつまでここにいるんだ?」
『選挙ノ 結果ヲ持ッテ 最上界ヘ帰リマス。』
 
アー 「ふーん…」
 
---- --- * --- ---- * --- -----
 
 
桂花 「選挙は、四天王だけですか? 八紫仙は?」
ティア「ないよ」
桂花 「では…」
ティア「次はね、私」
桂花 「は?」
ティア「守天の選挙なんだ」
 
 理解不能のため思考が一時とまった桂花(とても珍しい)に、ティアは大きなため息をついてみせた。
 
 
 


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