投稿(妄想)小説の部屋

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No.517 (2004/03/08 00:04) 投稿者:ピンクパンサー

雪の日の一枚の絵

 雪が降っていた。
 ひらひら舞い落ちる白い花びらはただ静かに地面へと落ちてゆく。とてもきれいな景色だった。ふと目をやると、その景色の中に一人の男性が佇んでいるのに気が付いた。その人は舞い落ちる花びらをじっと見上げているだけで、体が濡れることも気にも止めていない様子だった。

「忍、どうした?」
「二葉、あの人がね、なんか気になってさ」
 寒いのに、あいかわらず雪はやんでないのに、傘も差さずにただ見上げているだけ・・・。
「なんか、きれいな光景だな」
 二葉が呟いた。確かにきれいだった。雪とあの人が一枚の絵の中にいるみたいで。その人がはかなげな、触れたら溶けて消えてしまいそうな感じで・・・。
「風邪引きますよ? これ・・・どうぞ。」
 思わず、自分のマフラーをその人に差し出している自分にびっくりした。そしてあせった。
(変な人だと思われたらどうしよう!)
「・・・ありがとう。でも大丈夫です。あなたこそ、風邪をひいてしまう。ちゃんと首に巻いてくださいね?」
 少し驚いていた様子だったけど、微笑んでそう言ってくれた。
 すごくきれいな人だった。そしてすごく悲しそうな人だった。
「あ、僕忍っていいます。こっちは二葉です。」
 何を話していいのかわからなくなって、とりあえず自己紹介をしてみた。ただ変な人と思われるのはやだし。
「はじめまして、穐谷といいます。」

 これが、絹一さんとの出会いだった。


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