愛のティアランディア
ティアランディアが、執務室でいつものように書類の山と格闘していると、窓からアシュレイが顔を出した。
「アシュレイ、いいところに来たね。チョコレートがあるよ」
宙に浮いているアシュレイに、おりておいでと声をかける。
大好きな優しい笑顔で微笑まれて、きゅっと心臓が痛くなる。それを隠すように、ぶっきらぼうにアシュレイは言葉を返す。
「ちょこれーと? なんでそんなもん」
ここにあるんだ、と問いたげなアシュレイ。窓から流れてくる風に、ストロベリーブロンドがふわりと揺れる。その髪を眺めながら、ティアランディアは答える。
「さっきまで東の使者殿が来ていてね。お土産に持ってきてくれたんだ」
それを聞いてアシュレイは早速ひとつ、チョコレートを口に放る。
「ふーん。あ、うまい」
「ね?」
満足そうに微笑みながら、ティアランディアはアシュレイの為にお茶を用意している。
今日はこれから柢王と桂花も遊びに来る予定で、カップは既に4つ揃えられている。