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投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

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No.74.html (2007/01/22 06:33)
Name:桜草 (softbank219186026019.bbtec.net)

夕陽が差し込みはじめた部屋の中にほのかに漂う甘い香り。
それがオレの好きな貴方の香り。

その香りが、ふわりとオレの身体を包むと同時に温もりが背に伝わる。

「ごめん、忍。起こしてしまったね」

微かに身動ぎしたオレの耳元に一樹さんの声が滑り込んだ。

ひと時の戯れのあと、気だるい心地よさの中に響く甘い吐息のような貴方の声。
でも、もう時間が…とでもいうように背に伝わる温もりがゆっくりと遠ざかる。

もう少し。
もう少しだけこうしていたい。

身体に回されていた片腕を拘束する。
その腕を掴むオレの指はほんの少しだけ震えていて、慌てた貴方がオレの顔を覗き込んだ。

「ごめん…なさい」

きょうはいつになくナーバスなオレ。

「絶対…」

それだけ言うのが精一杯で、あとの声は嗚咽になる。
でも。
貴方は続けてくれた。

「離さないよ、忍」

一樹さんの温もりがオレの胸元に戻ってくる。
そして。
貴方の唇がオレの唇に落とされる。

愛しくて
愛しくて
その想いが強くなればなるほど、同じように不安も強くなる。

公にできない
同性同士の恋愛。


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