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投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

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No.280 (2011/01/13 13:00) title:アーシェ日記(子供遊戯ごっこ)
Name:まりゅ (jalpx.mobile-p.jp)


★年の差…になりますでしょうか…

○年◇月△日 アーシェ1歳

アシュレイが魔族の毒で1歳児になってしまった。天主塔で預かることになったが、アシュレイとは別人格として、アーシェと呼ぶこととする。
私が傍にいないと眠れないだなんて、既に私無しでは駄目な体になってるということか?
今なら、アシュレイが望みそうなことなど全部解るし、理想の恋人になれる自信がある。
私のたったひとつのたからもの。
16歳年上の余裕で、会いに来てさえくれないような、冷たい恋人にならないよう、大切に育てよう。

◇年△月○日 アーシェ3歳

今日は文殊塾の入学式。
私のアーシェが、やっぱり一番可愛い。
悪い虫が付かないよう、毎日遠見鏡でチェックしなくては。
帰って来たアーシェに、気になる女の子はいなかったかと聞いてみれば、「えー、女なんか興味ねえよ。だいたい、ティアより綺麗な奴なんていねーし」と、可愛い事を言う。
ああ、早く成長しておくれ。

△年○月◇日 アーシェ5歳

生誕祭での正装は、誰にも見せたくないくらい愛らしかった。
ストロベリーブロンドに白いレースがよく映える。少し髪を伸ばさせてみようか。今なら女の子の格好も似合うだろうし。
これから毎年アーシェの肖像画を描かせよう。そして寝室に飾って寝る前の一時を癒しの空間に。
あ、私とのツーショットも良いかも知れない!早速明日画家を呼び寄せよう。

*年#月+日 アーシェ9歳

手足がすんなり伸びて、子供というより、少年の体型になってきた。
着せ替えごっこが楽しくてしょうがない。桂花なんて目じゃない。
アーシェにどの服が好みか聞いてみれば「ティアはどれがいいんだ?ティアの気に入ったやつがいい」と言う。冗談で少し色っぽい服を選んでみれば、すぐに着替え(デザインの意図が全く解ってない)、誇らしげに私に見せに来る。
ああ、絶対に私以外にはその姿を見せては駄目だよ…鼻血が止まらない。

#年+月*日 アーシェ12歳

12歳の誕生日…。そろそろ、あんなことや、こんなことも、教えて良い年だろうか。アーシェは同年代と比べても幼い。未だ早過ぎるだろうか。
そう思っていたらアーシェが真剣な顔で訴える。
「なあ、俺、何時になったらティアの本当の恋人になれるんだ?やっぱり、16も年下の俺なんてガキすぎて、おまえには相応しくないのか?俺、ティアを誰にも取られたくない...」
ルビーの瞳に涙を一杯ためて。
アーシェからの告白なんて、胸が震えるほどに嬉しいが、親子程も年の離れた私が、本当にこの可愛いアーシェの恋人になってよいのだろうか。
「年の差なんて関係ねえよ!俺、ずっとティアが好きだったし、一生ティアだけが好きだ!」
抱きついてきた、もう小さいとはいえない体を私も強く抱きしめる。

「ううう、アーシェったらなんて可愛いんだっ!」
「アーシェって誰だよ。何書いてんだ?」
ティアが驚いて顔を上げると、不機嫌そうなアシュレイ(現物)が、立っていた。
「アシュレイッ!」
大人二人が十分座れる大きな机を迂回するのももどかしく、ティアは机に乗るとアシュレイ目掛けてダイブした。
「わー!」
守護主天ともあろうものが、そんなお行儀の悪いことをするとは(しかも鈍臭いティアが!)思いもよらなかったアシュレイは逃げ損ね、抱きつかれて、床に押し倒された。
「ああ、アシュレイ!会いたかったよ〜!」
アシュレイはジタバタともがくが、この細い腕の何処にそんな力があるのかと言う程、がっちりしがみつかれて、外れない。
「退け!」
「アーシェのこと気になる?それってヤキモチ?」
「な訳ねーだろ!テメッ、燃やすぞ!」
「君の愛の炎で燃やし尽くして♪」
(ダメだ、こいつ、寝不足でおかしくなってる!)
アシュレイは、そう判断すると、何とか宥めすかしてティアを長椅子に座らせた。
「で?アーシェって誰なんだよ」
「君がこの前、魔族の毒で赤ん坊になった時、桂花の手前、アーシェと呼んでたんだよ」
「なんだと!まさか、魔族野郎に俺を触らせたりしてねえだろうな!」
「えー、君ってば桂花に懐いてべったりでさ、きれー、なんて言っちゃって。私には言ってくれな…!」

桂花の話をしたのは失敗だったと、ティアは溜息をつく。
どうして、滅多に寄り付かない恋人の姿を見ると、舞い上がってしまい、考え無しの言動をとってしまうのだろう。
つれない恋人に会えない淋しさを紛らわす為に、恋人が幼いまま元に戻らなかった設定で書き始めた妄想日記。
怒って自分を殴り飛ばして出ていってしまった恋人を思いつつ、うっとりと続きを書き始めるティアであった。


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