[戻る]

投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

ここは、みなさんからの投稿小説を紹介するページです。
以前の投稿(妄想)小説のログはこちらから。
感想は、投稿小説ページ専用の掲示板へお願いします。

名前:

小説タイトル:

小説:

  名前をブラウザに記憶させる
※ 名前と小説は必須です。文章は全角5000文字まで。適度に改行をいれながら投稿してください。HTMLタグは使えません。


総小説数:1010件  [新規書込]
[全小説] [最新5小説] No.〜No.

[←No.216〜220] [No.221〜221] [No.222〜226→]

No.221 (2008/06/05 22:37) title:天使という宝物 1
Name:砂夜 (p4251-ipbf1407funabasi.chiba.ocn.ne.jp)

「ティア!」
夕方待ち合わせた商店街。
ティアは会社を出るとき、帰るコールのメール済み。
「ただいま。待たせちゃったね。」
「いいや。今着いたばかり。買い物しながら帰ろうぜ?」
毎日顔を合わせているくせに、また会えて嬉しい2人。
「はい。」
ティアが並んで腕を組むように差出すと、
アシュレイは照れながらもちゃんと組む。
なんだか周りが目のやりどころに困るものの、
新婚さんだからね〜、とそっと見守ってくれるのは、優しい人情町の証拠だからで。
それでも、あのおてんば娘が結婚!?
相手はどんな物好きかと思えば、予想外にやさしげで綺麗な男性。
しかも、元気で明るい笑顔に惹かれたらしいとくれば、好印象間違いなく。
今ではご近所の奥様方の、ファン倶楽部があるとか無いだとか。。
そして新婚さん2人が、つかの間のデートのごとく買出しをしていたら、
商店街のみんなが気になるのも、仕方の無い事なのだ。

ぽてっ!
先ほどから走りまわっていた、小さな男の子。
ティアの足元で転んでしまい、アシュレイが慌てて抱き起こす。
痛いか?大丈夫か?と聞けば、
目を潤ませながらも歯を食いしばって、首を横に振り大丈夫だという。
「強いぞ!さすが男の子♪」
えらいえらいと、頭を撫でれば、有難うと嬉しげに近くで見守っていた家族の所に走っていく。
その様子を見ていたティアは。
「アシュレイ。そろそろ僕達にも、新しい家族が欲しいよね。」
さっきの風景があまりにも良くて、思わず出てしまった言葉。
「え?何?」
慌てて聞くが、さすがに意味が分かるから、顔を赤くする。
傍から見れば、ラブラブモード全開あっつ熱!
「もしもね、私達にも子供が出来たら・・どんな名前にしようか?
あ。その前に男の子と女の子、どちらがいいかな?」
真っ赤になったシュレイが可愛くてたまらない。
当分2人きりでも良かったけれど。
大家族で生活することがあまりにも楽しくて、いつかは・・と思っていた。
「まままま・まだじゃん!で・でも・・」
うん。いつかは・・・と段々声を小さくして、うつむきながら答える。
「私はね。。君そっくりの可愛い子なら、どちらでも良いけれど?」
アシュレイが2人なんて夢の世界!そして思いっきり可愛がって育てたい!
「俺はティアそっくりの子が欲しいけどな?でも、元気に産まれてきてくれれば、どっちでも良いよな!」
照れながらも、自分の希望も言ってみる。

なんだかますますいい雰囲気で、早くも産まれた後の状態を考えている2人だが。
忘れてはいけない、ここはまだ商店街。
聞こえていた会話に商店街の人達は、あの会話はなんだろう?と耳をすませていたりして。
というよりこの2人。
今は顔なじみの三河屋さんの前で、会話をしているが、終始ラブラブモードで周りの様子を気にしていない。
ー(え?今なんて言っていた?)店番をしていたナセル。
ひそかに想いを寄せていたアシュレイの姿が見えたから、
一声かけようとしたら横には旦那様が一緒にいる。
声をかけ損ねていたら、聞こえた会話がおめでた話!?
あまりのショックで硬直し
「アシュレイさんがおめでた!?」と、ぶつぶつ繰り返し言い続けている。
そう。この会話。2人は気がついていないが、思いっきーり周りに筒抜けなのだ。

ー「ちょっとちょっと!アシュレイさんおめでたらしいよ!?」
ー「え?まっさかぁ?あのアシュレイだぞ?いつ言ってたんだよ?」
ー「それがたった今!男の子と女の子、どっちがいいかなと旦那さんと話していたよ!」
ー「じゃぁ 間違いないね!?でも磯野さん家からは、何も聞かされていないしなぁ。。」
ー「もしかしてまだ報告していないんじゃないの?」
ー「そりゃぁ 照れくさいかもなぁ!でもめでたい話じゃないか!
   ご両親から話を聞くまではそっとしとこうな!?」
ーヒソヒソヒソ。。どこがひっそり、そっとしとうというのか疑問だが。。
本当に、人情厚いというかなんと言うのか、そのまさかのタイミング。
当の家族が聞いているとは、どうして思うだろう?
ここは小さな商店街。光通信なんのその。
ものすごーいスピードで噂が広がっていくのである。

そして、ほぼ同時刻の商店街の隅。
「ああああ・アシュレイに子供ー!?」
やはり会社帰りの父・炎王。持っていた鞄をボトリと落とす。
ついこの間、お嫁にいった娘は縁あって只今同居中。
幸せそうにしているから、ほっと胸をなでおろしていたら、商店街の人々の会話にびっくり仰天!
ちょーっと複雑な心境ながらも嬉しいのも父心。
(おじいちゃーん)と空耳が聞こえてくる。

「ああああ・アシュレイに子供ー!?」
場所は違ってもやはり同じ商店街。
夕飯のおかずの買い出し中の母・グラインダース。
あらあらあらあら♪。まだ先でしょうと思っていたのに、商店街の人々の会話に以下同文。
こういうことは早く報告してくれないと!色々準備が大変なのだし。
それでも嬉しいのも母心。
(おばあちゃーん)と空耳が聞こえてくる。

なんだかんだで非常に良く似た夫婦。
思うことは同じなわけで、早くも初孫誕生に期待するのだけれど。
2人から報告されるまで、知らぬ振りをしようと思うのだが。


さて、一家が揃って夕飯を食べ終えた磯野家では。
両親が、落ち着かない様子で、アシュレイ夫婦を見守っていた。
そんな事とは知らないアシュレイは、今日も元気にご飯をお代わりしている。
今夜は好きなおかずが出ていたから、食べ過ぎて少々胸焼け気味。
そして2人からは、いまだに何も言ってこないので、両親ちょびーっとしびれを切らしていた。

「アシュレイ?何かお父さんとお母さんに、言うべき事はないのかね?」
新聞を逆さに持ちにがら、隅からちらりと顔を見て返事を待つ・炎王。
「あら。そういうことは、自然に話してくれるのを待つべきですわ。」
食後のお茶を出しながら、やはり耳は返事を待っている・グラインダース。
「?」なんだろう?不思議でしょうがないので考えてみたけれど
結婚してからは特に何も問題はおきていなしなぁ。。
やっぱり思いあたらないので、ティアに顔を向けてみる。
ティアも思い当たる事がなくて、顔を見合わせたまま首を横に振るのだが。

「こんばんは♪お邪魔します。」勝手知ったる親戚の家。
廊下からお茶の間に顔を出したのは、アシュレイのいとこ・柢王。
「どうしたんだ?随分珍しい時間に来たじゃんか」
・・なんだか今日は変な日だなぁ。いそいそお茶菓子を用意に行くアシュレイ。
ついでに場所もあけておく。
「いや。ここまで来る間の商店街で噂を聞いてな。事の真相を聞こうかと思ってさ。隣に行ったついでに寄ってみた。」
噂の主はお前さん達夫婦だしな。で?どうなんだ?
「噂?さっきは親父に言うことは?と言われるし・・お前まで何なんだよ?」
台所から持ってきたお菓子を差し出しすけれど、やっぱり分からないアシュレイと同じ思いのティア。
うーん。噂だけ1人走りしているのかな?と思うものの、気になるからずばり言ってみる。
「お前らに子供が出来たらしいという、噂があるんだが?」
「ぶっ!!」横でお茶を飲んでいたティアは思わずむせるが、ぱっとアシュレイに顔を向ける。
帰り道にいつかは〜とは話していたけ、どもしかして!?期待してみたりする!
もちろん両親もアシュレイに期待を向けるのだが。

「な・・なんだって〜!!」(そんなわけ無いじゃん!!)
瞬間湯沸かし器のごとく、全身真っ赤っ赤!
その様子を見たカルミアは、頭にやかん(ケトル)を乗せていたら
一瞬で水が沸いて『ピーッ』っと鳴っていたんじゃないだろうか?
のんきにシャーウッドに言ってみたけれど、
当の姉はそれどころではないわけで。。。
あまりにも頭に一気に血が上り、興奮しすぎたアシュレイは
そのままぶっ倒れて気を失ってしまうのだ。

「・・・うーん?」
あの騒ぎのあと。一旦起きはしたものの、食べ過ぎて胸焼けがすると言ったら
ティアが苦笑しながら水を飲ませてくれた。
それでもなんだか眠くてしょうがなかったから、そのままおとなしく眠りにつく。


[←No.216〜220] [No.221〜221] [No.222〜226→]

小説削除:No.  管理パスワード:

Powered by T-Note Ver.3.21