[戻る]

投稿(妄想)小説の部屋 Vol.3

ここは、みなさんからの投稿小説を紹介するページです。
以前の投稿(妄想)小説のログはこちらから。
感想は、投稿小説ページ専用の掲示板へお願いします。

名前:

小説タイトル:

小説:

  名前をブラウザに記憶させる
※ 名前と小説は必須です。文章は全角5000文字まで。適度に改行をいれながら投稿してください。HTMLタグは使えません。


総小説数:1004件  [新規書込]
[全小説] [最新5小説] No.〜No.

[←No.171〜175] [No.176〜176] [No.177〜181→]

No.176 (2008/01/20 22:39) title:ピュア ホワイト
Name:桐加由貴 (pd375f5.tkyoac00.ap.so-net.ne.jp)

ねえ。私は君が好きだよ。

 人界のあの島国を覚えている? あの国は今ちょうど夕方だ。海が真っ赤に染まっているよ。まるで君の髪と瞳のようだね。
 君は今、隣の大陸にいるけれど、元気でいるだろうか。君のいるところはまだ、昼間かな。
 君が悲しい思いをしていないか、それが心配なんだ。カイシャン――柢王の生まれ変わりを見ていて、泣きたくなったりしていない? 
 人間の寿命は短い。こちらの時間で一年も経たないうちに、その人生は終わってしまう。でも、どうか彼を哀れまないで。
 私たちの親友は新しい命になって、今の生を精一杯生きているはずだよ。柢王がそうだったように。だから私はカイシャンを可哀相に思ったりはしないと決めた。柢王の魂だったら、そんなふうに思うなって言うと思うからね。
 でも、ちょっと心配ではあるよ。ここから見ているだけの私と違って、君は彼のすぐそばで見守っているんだろう。優しい君は、カイシャンがつらい目にあっているときに、それをただ見ているだけでいることができるだろうか。そうしなければならないということが、君を苦しめたりしないだろうか。
 ・・・たまには戻ってきて。そうすれば、私は君を抱きしめてあげられる。もう柢王も桂花もいなくて、時々、世界に私たち二人だけになってしまったような気がするから、そんなときは無性に君を抱きしめたくなるんだ。それにね、君に抱きしめてほしい。――私も少し苦しいんだ。

 あのころとは、何もかもがずいぶん変わってしまったね。私はもうずいぶん、許せない相手が増えてしまった。・・・その中には君の父上も入っている。
 遠いよ。あのとき君と人界で抱き合ってから、どれだけの月日が経ったというんだろう。たったこれだけの時間で、なぜ世界はこうも大きく、残酷に変わることができるんだろう。・・・変えることができるんだろうね。
 誰もが泣いているような気がするのに。
 君も、何度も泣いてきたのに。それなのになぜ、何一つ、優しいほうへ変わってくれないんだろうか。
 ――私も、君に秘密ができてしまったし。
 ねえ、それでも、君は怒るだろうか、呆れてしまうだろうか。・・・逢いたいよ。
 もう私の心も体も、闇を知ってしまっているけど。それでも逢いたい。触れたい。お互いの境目がなくなるほど抱きしめてしまいたい。誰を悲しませてもこの心を貫きたいと、そう思う自分がいるんだ。
 君は優しい人だから、そんな私を軽蔑するだろうか。
 君に嫌われたくはないのだけれど。

 好きだよ。
 愛している。君を。
 ――愛してる。
 
 そう思うことをどうか許して。


[←No.171〜175] [No.176〜176] [No.177〜181→]

小説削除:No.  管理パスワード:

Powered by T-Note Ver.3.21